不動産ブログ
私の休日は週1日である。水曜日だ。土日祝日も基本的にない。週6日きっちりと仕事だ。休みが1日だと気が付いたことがある。遠くに行かないのだ。電車に乗って小旅行とか、温泉とか、横浜中華街だとか、自分の家から距離のあるところへはまずもって行かない。疲れるからだ。1日大変な思いをして遠出をすると、精神と肉体に疲労がたまってしまって、次の日の仕事に支障がでる。だから休日は遠出をしない。
休日は専らタブレットで映画を見ているか、自宅か図書館で本を読んでいるか、近所をあてもなく歩き回るかのどれかだ。休日のほとんどの時間を一人で過ごす。意識して行動を変えようと思っても、どうしてもこうなってしまうのだ。
休日の自分の行動が習慣なのか、趣味なのか、あるいはその両方なのか、それはよくわからない。別に幸福も不幸も不満も感じていない。ただいつの間にか、自然に、一人になってしまう。
株式会社菊商事 森田義貴
更新日時 : 2022年03月27日 | この記事へのリンク :
先日、東京でも雪が降った。夜になるにつれて雪は積り、気温が下がっていった。身を切るような冷気が、頬や露出した手にあたり、吸い込む空気は冷たくて、肺の奥までスッとした。雪の舞う街灯の明かりがぼくは好きだ。白い雪と白い光、背景は夜の黒。傘をさして寒いのに、いつまでもいつまでも眺めていられる。
あくる日、雪はもう溶けていた。気温が上がって太陽が照っている。軒先や屋根から、雪解け水がぽたぽたと落ちていく。その音が、昨日の夜降った雪の残響のように聞こえた。雪は降り積もるとき音はしないけれど、溶けるときには音がする。いや、違う。きっと降り積もる時にも音はしているのだ。あまりにも微かでぼくの耳には聞こえないだけで。
夜通しかけて小さな音がたまってゆく。そして次の日、溶けたその雪の中から音が飛び出す。その音たちは、昨日の雪の微かな叫びの集積だ。
株式会社菊商事 森田義貴
更新日時 : 2022年02月12日 | この記事へのリンク :
新型コロナウイルスの感染があって、阿佐ヶ谷でも主要な祭りがいくつか開催されなくなった。七夕祭り、ジャズフェスティバル、神社等での祭り…。ジャズフェスティバルなどは一部室内で開催されて、インターネット配信されたらしいが、商店街や駅前広場を使った野外の催しはなくなってしまった。
ぼくは祭りが苦手だ。それは、人混みが苦手だからだ。小さいころからあまり祭りには行かなかった。小学生のころ夏祭りで、太鼓の発表をしたことはあるが、それ以外は特に祭りに行った記憶がない。だから、夏祭りの思い出なんかも特にない。思い出せるのは、少女漫画で読んだよくある夏祭りのシーンだけだ。
それでもなんとなく街に祭りがないのは寂しい。あの街に纏う何とも言えない喧噪の感覚とざわめき。行きかう人々の浮かれたような顔、浴衣、法被、子供たち。なくなってみると、どこか恋しいし懐かしい。祭りはきっと記憶なのだ。街にしみ込んだ目には見えない人々の記憶。それが今、祭りのなくなった街で地面からしみだしている。そんな気がする。
きっとこんな気持ちも祭りがまた始まったら、忘れてしまう。そうやって、街にしみ込む祭りの記憶は重ねられてゆく。それで良い。そういうものだから。また祭りのはじまる街を夢見て、今は記憶の中の祭りを思う。
更新日時 : 2022年02月05日 | この記事へのリンク :
こんにちは。株式会社菊商事の森田です。
今日2020年3月14日、東京では雪が降りました。春の雪です。珍しい。
雪の降る様を見ていて、ふと、思いました。
そういえば、三島由紀夫の小説に『春の雪』ってあったな。たしか、大学3年のころに読んだな。
なぜ、思い出したのか考えてみると、昨日テレビで三島のことをやっていたからかもしれません。
あるいは、ぼくが今、『禁色』を読んでいるからかもしれません。
とにかく、そう思ったのでした。
三島由紀夫はぼくの好きな作家の一人で、いくつか作品を読みました。
『春の雪』を含む豊饒の海4部作、『金閣寺』、『鏡子の家』、『近代能楽集』、『潮騒』、『青の時代』…etc
どれを読んでも、「良い」と思うのですが、どこがいいの?と聞かれると、はっきり答えられません。
格調高い文体か、逆説性か、宿命か、悲劇性か、緻密な描写か、判然としません。
うーん…考えて、考えて、いま気が付いたのは、「何がいいのか分からないけど、確かに何かは良くて、その何かを知りたい」
と思うからいいのだということです。
なんだかぐるぐるしてきましたね。でも、「古典」というのはそういうものなのかもしれません。
作品そのものの中に問いが含まれていて、各々それを抜き出して、考え、新たな創作をする(もちろん、この「創作」にはものを書く以外のことも含まれます)。
そういう意味で、三島の作品はやっぱり古典といえそうです。
さあ、雪が降るのを見て、ここまで来てしまいました。しかしこれも、『春の雪』という本の力です。
だって、その本が書かれなければ、その本を読んでいなければ、このように「古典」というものを考えることもなかったかもしれないのです。
ぼくは本の力にひっぱられてしまったのです。
「古典」とは恐ろしいものですね。
さて、外を見るといつしか雪は止んでいました。もう少し、「春の雪」を見ていたかったな、というのがぼくの今の感想です。
三島が死んでもう何十年もたっています。ぼくが『春の雪』を読んでからも、5年くらい経っています。
そうして今、ぼくははじめて、春に降る雪を見たのでした。
更新日時 : 2020年03月14日 | この記事へのリンク :
こんばんは。菊商事の森田です。前回の続きです。
はじめに、補足です。「ポートレイト・イン・ジャズ」というのは、アルバムの名前です。
以下、登場する曲名はすべて「ポートレイト・イン・ジャズ」の収録曲です。
見事ビル・エヴァンスにハマったぼくは、イヤホンを耳に入れて、毎日聞いていました。
そのころのぼくには、放浪癖があって、夜中によく近所まで散歩にでかけていました。
ぼくがよく行っていたのは、高円寺と阿佐谷のちょうど間くらいにある、馬橋公園という公園です。
緑が多くて、小さな池や子供の遊ぶ遊具なんかがあります。きれいないい公園です。
そこに夜中10時ごろいって、少年野球やサッカーをやるグラウンドの横にある、小さな広場
に入ります。街灯の下にあるベンチに座ると、風が木々を揺らすざわめきが聞こえます。
それがなんだか心地よくて、一度外したイヤホンをまた耳に入れ、おもむろに
再生ボタンをタップします。
「Autumn Leaves」、「Someday My Prince Will Come」、「Blue In Green」…
たぶんですけれど、こういうのを今の言葉じゃ、「エモい」っていうんでしょう。
そうなんです、ジャズはエモいのです。
そう、「エモい」のです。
で、唐突に阿佐ヶ谷町紹介へまいります。2019年10月25日、26日に阿佐谷ジャズストリート2019、
が開催されます。
喫茶店や神社、教会、小中学校の体育館、飲食店など阿佐谷のいたるところで、ジャズが響きます。
駅前には特設ステージもできます。「エモい」ジャズが聞ける、というわけです。
もうお気づきになられましたよね。これは、阿佐谷ジャズストリート2019の紹介文だったのです!
あ、でも、夜の公園でぼくがひとりジャズを聞いていたのは本当です。
すいませんでした。無理やりでした。
申し訳ございません。しかし、よろしければ、また。
更新日時 : 2019年10月24日 | この記事へのリンク :
こんばんは。株式会社菊商事の森田です。今は2019年の10月です。だんだん寒くなってきましたね。
今回はジャズのはなし。エッセイ風です。
ぼくがはじめてジャズを聞こうと思ったのは、村上春樹さんの本を読んだからだった。
こういう方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?
村上春樹さんは言わずと知れたジャズ好きで、小説やエッセイにもたくさんジャズが登場する。
この本のこれ、と明確に特定はできないが、村上さんの本を読んでいると、いつの間にか
ジャズ(音楽といってもいいかも)を聞きたくなるから不思議だ。音のない文字を読んで
いるのに。
というわけで、勝手にジャズが聴きたくなったぼくは、インターネットで有名どころを調べることにした。
(インターネットってところが、現代的でしょ?どうでもいいけれど)
グーグルを開いて、検索欄に「ジャズ おすすめ」と入力する。すると、たくさんのおすすめ記事がでてくる。
そのいくつかを読んでみるが、正直よくわからない。ぼくは何を聞いたらいいんだろう?
間抜けな思考をして、はたと気が付きました。そういえば、「ビル・エヴァンス」という人を聞いたことがある。
どこで知ったのか、はっきりとは思い出せないけれど、たぶん何かの本で読んだんだろう。
なんとなく気になり、またインターネットで検索してみた。「ビル・エヴァンス ジャズ」。
グーグルの検索結果のトップに、ビル・エヴァンスの顔写真がでんと映された。
後で知ったのだが、ぼくがこの時見たのは、有名な「ポートレイト・イン・ジャズ」のジャケット写真だった。
ぼくはその時、なんとなく、神経質そうな人だなあと思った。そしておそらく、ピアニストだなと。
その時の勘は何故か冴えていて、ビル・エヴァンスはピアノを弾いていた。
軽く彼に関する記事に目を通すと、早速アップル・ミュージックで「ポートレイト・イン・ジャズ」
を聞きにかかった。
で、好きになってしまうんですね。イヤホンから流れるピアノに、ドラムに、ウッドベースに、
ぼくははっきりといいと感じました。
さて、まだタイトルの夜の公園がでてきてませんね。ご安心ください。この後、でてきます。
でも、それは次回に回させてください。
話はこれから、夜の公園→阿佐谷ジャズストリートと続きます。
更新日時 : 2019年10月20日 | この記事へのリンク :
こんにちは!株式会社菊商事の森田です。
先月に引き続き、台風が迫ってきていますね。ご注意ください。
今回は台風関連のお話。
アパートやマンションを持っている方は、台風後は物件の損傷が
あるかもしれません。弊社でも屋根がはがれた、塀が壊れた、等の連絡をよくいただきました。
そこで、そういうときの基本的なことを書きたいと思います。
①必ず保険に入りましょう
まずはこれが一番です。建物が壊れて修理がしたいというときに、たまに建物の保険に入っていない方が
いらっしゃいます。すると、修理費が全額自己負担になります。当たり前ですが。
台風クラスの災害ですと、屋根がやられたりして、云十万の修理費がかかることがざらにあります。
屋根をふき替えなければいけない場合もありますからね。
なので、まずは保険にはいること。余談ですが、ジンクスとして、保険に入っていない方に限って
でかい修理がきたりします。ご注意あれ。
②すぐに修理をしましょう
小学校の標語みたいですが、事実です。
例えば、屋根工事の場合。現時点で水が漏れていないからといって、軽微な修理を怠っていると、
後で大変なことになります。2次災害ですね。なるべく、被害が少ないうちに直しましょう。
極めて当たり前のことを書きましたが、経験上、意外と抜けている場合が多いです。
物件をお持ちの方、ぜひぜひ、ご確認ください。ありがとうございました。
更新日時 : 2019年10月08日 | この記事へのリンク :
こんにちは!株式会社菊商事の森田です。
台風が迫っている今日この頃。久しぶりの更新です。
今回は簡単に。
先日、就職が決まり、地方から来年の3月に上京されるという方が来店されました。
早めにお部屋を探したいと。おめでとうございます!新生活に胸が高まりますね。
うん、でもですね、言いにくいんですが、気が早すぎます(笑)
東京に来る前に、町が見たい!というのなら、いいと思います。
ただ、早めに部屋を抑えてしまおう、というのは時期尚早です。
なぜなら、基本的に申し込みをいれてから、賃料が発生するまでの間は、2週間だからです。
最長でも1ヶ月です。それくらいしか、大家さんは待ってくれません。
あんまり先まで待っていると、その前にお部屋に入りたいという方が困ってしまいますからね。
というわけで、お部屋を借りる気で上京されるなら、引越しの2~3週間くらい前がいいと思います。
その方がスムーズです。
今はインターネットがありますから、事前にあたりをつけておくとなお、いいでしょう。
参考になりましたか?では、また。
更新日時 : 2019年09月06日 | この記事へのリンク :
こんにちは!株式会社菊商事の森田です。
最近、飲食店等の過剰サービスが問題になっています。本来、いいサービスというのは高いお金を支払わないと受けられないもの。
しかし、競合他社との差別化をはかるために、そこそこのお店や安いお店でもがんばってよいサービスをしようとします。
それ自体はいいことなんですけどね。お客さんに喜んでいただくために努力する。これは仕事の本質ですから。
ただ現実として、安いまんま無限にサービスが良くなるということは考えられません。安いものはそれなり。高いものもそれなり。
つまり、安いものは「安い」という範囲内で良いと判断され、高いものは「高い」という範囲内で判断されなければならないということです。
簡単にいうと、過剰な期待はしない方がいい、ということです。
そしてこの、過剰な期待をしないということは、サービスを受ける側(つまり消費者)に求められることです。
まあ、往々にしてこの過剰な期待をしないということは、幸せに生きるコツであったりもします。
また言い換えれば、際限なく期待することは、際限なく欲望を膨らませることであり、それは人間にとって良くないことではないか、と考えることでもあります。私はそう思いますけれども。資本主義という思想と同じように、モラルや倫理という思想も確かにあるのですから。そして資本主義は万能ではないのですから。
という、どこかで聞いたことのある話を書きまして、エアコンの話です。
エアコンを設備としてつけるのは、過剰サービスではありません。
なぜか、エアコンのない部屋は借り手が見つかりにくいからです。時代がそうなってしまったのです。
私は今、↑と矛盾するようなことを書きました。しかし、そうではありません。
エアコンは家賃の高い安いに関わらず、ついていてあたりまえと誰もが考えるくらいに、普及してしまったのです。
それは、なぜか。日本が豊かになったからです。
人々が豊かになればなるほど、最低限の意味も変わってきます。最低限のラインが底上げされるのです。
つまり、昔はついているのが珍しかったエアコンが、最低限ついていてあたりまえ、
といえるくらいに我々はお金持ちになったのです(昔に比べれば)。
これは、お風呂のことを考えても分かります。今はお部屋にお風呂が付いていない方が、
珍しいですよね。エアコンもそういうものになりました。
そして、そういう風に豊かになったからこそ、「過剰サービス」という言葉も生まれるのだと思います。
というわけで、エアコンを設備にするかどうか迷っている大家さん、エアコンをつけましょう!
と、無理やりまとめて終わりにします。ありがとうございました。
PS 私、森田は2019年1月に作家の橋本治さんが亡くなってから今までずっと、橋本さんの本を読んでいます。
でも、橋本さんのようにものを考えるのは難しいですね。やっぱり、橋本さんは橋本さん独自であるのです。
ただ、私も自分の頭でものを考えよう!と思いました。ご興味のある方は、ぜひ橋本治さんの本を手にとって
みてください。
更新日時 : 2019年06月09日 | この記事へのリンク :
こんにちは!㈱菊商事の森田です。
今回はロフトの使い方を考える。
ロフト付きのお部屋、特に1990年代の建物に多いです。その頃は流行っていたんですね。
しかしながら、今はいまいち人気がない。ロフトが付いてるから!という理由で、入居を決められる方はまず
いません。むしろ、いらなくない?というご意見やあっても使わないかな、という声をいただきます。
でも現にロフト付きの物件は多々あります。
そこで、ロフトのメリット・デメリットを今一度考えたい。
まずは、デメリットから。
①梯子が邪魔
②ロフトで寝ると暑い
次にメリット。
①荷物置場になる
②ロフトで寝る場合、下のお部屋がより広く使える(ベッドや布団を居室に置かなくてよいので)。
主なものはこれくらいでしょうか。以上を基に、最適な使い方を考えます。
私は…
荷物置場にするのがいい
と思います。
一般にロフト付きのお部屋は、単身者向けのワンルームや1Kに多い。
そうすると、どうしても収納が少ない。
季節ものの服や仕事着、本や種々の電化製品などなど、しまう場所に困ります。
そこでロフトの出番。天井の低いロフトでもこれなら対応できます。
また、寝床に使わない方も利益があります。
どうでしょうか。お部屋選びの参考にしてみてくださいね。
更新日時 : 2019年02月12日 | この記事へのリンク :