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代り映えのしない毎日

 代り映えのしない毎日である。ここ最近暑くなってきた、梅雨入り、戦争、仕事上のトラブル、夜の路上で見る自分の影、読書と映画鑑賞、音楽、買物、使用済みの空き缶、ごみ捨て…。友人の結婚報告がまたあった。ぼくは中高男子校出身だ。人と人とが結び合うこと、そのことがかつて女のいない世界で暮らしていた、青春時代の友達の間で男女の共同生活というかたちで行われる。夕暮れに包まれた高校の校舎を思い出した。全くもって同質化された男だけの世界。抜け出したくて堪らなかったはずなのに、今は何故か懐かしい。その友人との日々が思い出される。

 

 阿佐ヶ谷では今年は七夕祭りが再開されるそうだ。おそらくぼくは行かないだろう。地域行事の振興は大切なことだ。マクロの視点では、社会科学や経済学の視点では、そんなことはわかりきったことだ。だけれども、たぶんぼくは行かない。

 

 最近しきりに政治経済について学んでいる。E・H カーの『危機の二十年』なんかを読んでいる。ユーピアニズムは禁物だ。リアリズムに立たなければならない。しかし、個人が日常生活の上でリアリズムに立ったとき、それはとても酷薄だ。代り映えのしない日常を、どう過ごせばよいのだろうか?じりじりと月日だけが過ぎてゆく。ぼくの友人も一人また一人と、新しい生活に入っていっている。そしてその当然の帰結として、疎遠になってゆく。過去には戻れない。でも過ぎ去った日々が恋しい。新しい思い出の、新しい生活のない人間は、いったいこれからどうやって生きていけばよいのだろうか?

 

 人間の人生の諸段階は横並びではない。それぞれにそれぞれの時があり、運がある。それはわかっている、しかし拭えない感情が胸の奥で湧き上がる。真っ青な夏空の下で、ぼくは今日も一人だ。より一層一人だ。

 

 

                                                   森田義貴

更新日時 : 2023年06月18日 | この記事へのリンク : 

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