不動産ブログ

不動産ブログ

ブログ一覧

青春とは黒い炎

 阿佐ヶ谷駅前に書楽という書店があって、私はよく行く。先日その店の文庫本コーナーの近くで、10代のうちに(20代だったかもしれない)読みたい本という特設棚があった。その中の二つの本に目が留まった。1冊はドストエフスキー『地下室の手記』、もう1冊はボードレール『惡の華』。両方とも新潮文庫から出版されているものだ。この二つの本は私自身、19歳の時と20歳の時にそれぞれ読んだ。当時の私は衝撃を受けた。『地下室の手記』を読んで、人間というのはこんなにも煮詰まれるものなのかと思い、『惡の華』を読んでその象徴的で過剰な表現にやられた。

 29歳の今から当時を振り返ってみると、平気で過剰で、やりすぎで、煮詰まっていた。そういう自分が確かに存在した。そういう自分だったからこそ、この二つの本に引き付けられたのかもしれない。

 私は若すぎる日々(青春と呼ぶことにしよう)とは、黒い炎だと思う。世界中の薔薇を集めて、その薔薇の山に火をつける。その時に燃え上がる黒い炎だ。やがて薔薇は灰になる。そしてその灰の中から新しい薔薇が生まれる。



                                                   森田義貴

更新日時 : 2022年04月18日 | この記事へのリンク : 

<<休日はどこにも行かない     |  ブログ トップへ  |  退屈な休日たち>>   



ブログページブログページRSS配信ボタン
カレンダー
ブログカテゴリー ※最新情報をブログでチェックできます。